ナスの開花•結実に関する研究(第8報) : 花の発育, 形態および落花に及ぼす幼苗期の環境条件の影響
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概要
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ナスの花の発育, 形態および落花に対する幼苗期の環境条件の影響について試験した.1. 花の発育と落花に対する幼苗期の外的条件の影響種々の条件下で育成した苗の開花時における花の形態と落花についてみると, 高夜温, 低光度, 少肥, 摘葉などの処理によつて, それぞれ花の発育は抑えられ, 花型としては長花柱花が少なくなつて, 中花柱花, 短花柱花の発生が増加し, 落花が多くなつている.2. 花型と落花との関係花型別の落花状態をみると, 長花柱花ではいずれの条件下でも落花が著しく少なく, 高い結実率を示し, 短花柱花ではいずれの区でもごくわずかしか結実せず, 大部分の花は落花している. 中花柱花では短花柱花と長花柱花の中間の落花率を示しているが, 処理によつて落花率に大きな差が認められ, 不良な条件下では落花が増加する傾向を示している.3. 花の形態と体内成分との関連高夜温, 光度の減少あるいは摘葉処理の場合のように, 体内の糖類, でん粉, 多糖類などの含量の少ないような場合において花の発育が悪く, 短花柱花の発生を多くし, 多くの落花を誘発せしめている. いつぽう, 床土の肥よく度の劣る場合のように, 体内の窒素化合物の不足するような場合においても花の発育が悪くなり, 短花柱花が多くなつて, 落花が多くなつている. 体内における炭水化物と窒素化合物の両者あるいはいずれか一方が減少した場合に花の発育が悪くなり, 短花柱花の発生が多くなつている. 炭水化物と窒素化合物のともに多いような場合に花の発育がよく, 子房や花柱の発育もよく, 落花が少ない(第4図).
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