ウリ類の花の性表現における日長反応-Luffa属及びLagenaria属植物について
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概要
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ヘチマ属及びユウガオ属植物の花の性表現に対する日長の作用を詳細に検討した.1. ヘチマでは, 性表現のみならず花芽の形成•発達にも日長感受性がみられ, 短日条件が花芽の形成•発達を助長し, 雌花発現を著しく増加した. また, ヘチマの主茎上の性表現は茎の基部節より, 花芽を着生しない栄養生長相-不発育雄性相-雄性相-雌雄混性相-雌性相と展開し, 混性雌性型のキュウリ品種に類似し, 軸上に沿った性表現の変化が認められた. 短日による雌性化の促進はこの栄養生長相, 雄性相の短縮によるものであった. ‘大長ヘチマ’と‘太ヘチマ’ではその日長反応に大差はみられなかった.2. ヘチマでは, 12時間以下の短日条件によって雌花発現が誘起され, 12時間から4時間まで日長の短くなるに伴って雌花発現が増加した. 本実験条件下では12時間から16時間の間に雌花発現に対する限界日長が存在することを示唆されたが, これは量的なものであり, 温度条件等によっても変異するものと考えられる.3. ヘチマでは, 8時間日長の短日処理4回以上によって雌花発現が誘起され, 短日処理回数の増加に伴って雌性化がより助長された.4. ヒョウタン及びユウガオでも, 花芽の形成•発達は短日条件下で助長され, 長日条件で逆に抑制された. しかし, 主茎上における雌花発現は極めて少なく, また性表現では日長に対する反応性も小さく, 日長不感受性の混性型のキュウリ品種やメロン類に類似する性表現特性をもつものと考えられる.‘大ヒョウタン’と‘千成ヒョウタン’では日長反応に大差は認められなかった.
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