キュウリの曲がり果における炭水化物の分布と14C-光合成産物の取り込み
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概要
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1. 果実の炭水化物は還元糖がほとんどで, 非還元糖, デンプンは少なかった.2. 果実の還元糖濃度は青果としての収穫期に当たる開花後6〜10日, 果実重48〜163gの時期に最も高くなった. 又, 果心部 (隔壁部及び胎座部) は果肉部 (果托部及び果皮部) に比べて還元糖濃度が高かった.3. 曲がりの増大期には曲がりの外側で, 曲がりの減少期には曲がりの内側で還元糖濃度が高い傾向がみられた.4. 果実と同節位の葉に14CO2を施与して光合成させた場合, 20時間後に果実に見いだされた14Cの比活性は, 曲がりの増大期には曲がりの外側に当たる心皮IIで茎側の心皮Iや曲がりの内側に当たる心皮IIIより高かった. 一方, 曲がりの減少期には心皮IIIで心皮Iや心皮IIに比べて高かった.5. 以上の結果, キュウリ果実の曲がりは光合成産物が欠乏した場合に, 1本の果実を構成する3枚の心皮の先天的な sink 力が時期的に異なるために発生すると考えられた.
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