八倍体イチゴの栽培品種および野生種系統の長日条件下における花房発生特性とその分類
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概要
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イチゴの長日条件下における花芽分化特性の違いについて明らかにする目的で, アメリカ, ヨーロッパおよび日本で選抜された栽培イチゴ16品種と F. chiloensisと F. virginiana の各2系統を材料に, 実験1では低温未遭遇株を9月から12月の期間に24時間日長条件下のビニルハウス内で栽培し, また実験2では低温遭遇後の株を3月から6月までの期間に24時間日長および自然日長条件のビニルハウス内で栽培し, それぞれ花房の発生を調査した.1. ‘Arapahoe’, ‘Ostara’, ‘Rabunda’, ‘Revada’の四季成り4品種は長日条件および低温遭遇の有無にかかわらず, 両実験の調査期間中を通して花房が発生した. したがって, 四季成り品種は24時間の長日条件下でも花芽分化するものと考えられる.2. ‘Lassen’, ‘Golerra’, ‘Senaga Sengana’, ‘福羽’, ‘宝交早生’, ‘盛岡16号’および‘秋香’と野生種系統である ‘chiloensis 1’と‘virginiana 2’は各実験の調査期間内において花房の発生が認められなかった.3. ‘Aiko’, ‘Kletter’および‘Tioga’と野生種系統の‘virgininana 1’は日長の長短にかかわらず花房が発生したが四季成り品種よりその発生時期が遅れていた. このことから一季成り品種の中に, 長日条件下で花芽分化しやすい特性を持つ品種の存在することが明らかである.4. ‘Redgauntlet’は調査期間内において, 自然日長条件下でのみ花房が発生し, 24時間日長条件下では1株も花房が発生しなかった.5. ‘chiloensis 2’は調査期間内において24時間日長条件下でのみ花房が発生し, 自然日長条件下では1株も花房が発生しなかった. このため本系統は長日植物である可能性が高い.
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