コイ肝すい臓酵素標品によるワックスエステルの合成
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概要
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コイ肝すい臓10,000×g上清における [1-<SUP>14</SUP>C] パルミチン酸のワックスエステル (WE) 中への取り込みはpH 4〜5, 30〜40℃において最大となり, 反応開始後約5hまでは直線的に進行した。オレイルアルコール添加 (8mM) により合成は賦活されたが, リン脂質中への取り込みは減少した。肝すい臓のWE画分 (コレステロールエステルを含む) の主な脂肪酸は, 22 : 6 (45.3%), 20 : 5 (12.6%) 及び20 : 4 (10.8%) であった。ミクロソーム画分による各種脂肪酸のWE中への取り込み率を比較したところ, 18 : 2>20 : 5>18 : 1>20 : 4>18 : 0>22 : 6の順であった。20 : 4, 20 : 5及び22 : 6はWEのほかにリン脂質中にも多く取り込まれたが, トリアシルグリセリン (TG) 中への取り込みは, 比較的少なかった。一方, 18 : 0, 18 : 1, 18 : 2及び18 : 3はリン脂質よりもむしろTGに多く取り込まれた。ミクロソーム画分によるWE合成に際し, ATPが特異的に要求された。また, 肝すい臓及び腸ホモジネートによる各種脂肪酸のWE中への取り込みを比較検討した。
- 社団法人 日本油化学会の論文
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