マンニットによるホウ素の旋光定量 : 旋光法による定量分析法の研究(第1報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マンニット溶液の旋光度がホウ酸により変化することを利用して,ホウ素の定量分析を試みた.すなわち0〜25mgのホウ素をホウ酸として含む溶液10mlにマンニット1.0gを溶かし,3時間後に水酸化ナトリウム2.0gを加え,冷却後旋光度を測定する.マンニットのみの旋光度との差はホウ素の量に比例し,液長10cmあたりの旋光角0.01°の変化は,ホウ素の量約0.1mgの変化に相当する.<BR>旋光度差は溶液のpH増加とともにふえる.また他種元素による妨害作用については,1価イオンではほとんど無いが,2価以上のイオンでは作用をうける場合が多い.とくにケイ酸,アルミニウム,タングステン酸の各イオンの影響は大きい.ゆえにケイ素が多量共存している時は蒸留などによる分離が必要である.<BR>旋光度測定を無機分析に応用したことは最初の試みで,妨害元素のない時は,はなはだ簡単な定量法である.この方法は一方には種々の多価アルコール,糖類,またはオキシカルボン酸を,他方にはホウ酸,タングステン酸,モリブデン酸,ゲルマニウム酸,テルル酸,ウラン酸などの組合わせで,今後大いに発展される可能性があると思う.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 塩化物イオンの存在下ベンゾチアゾール-2-アルテヒド-2-キノリルヒドラゾンによるパラジウム(II)の溶媒抽出・吸光光度定量
- 分析試薬としてのヘテロ環状アゾメチン化合物およびその還元生成物-2-1-ピコリリデンアミノ-2-ナフト-ルと亜鉛との反応
- キレ-ト滴定によるアルミニウムの定量--EDTAまたはCyDTAをキレ-ト試薬とし,銅(2)溶液によってアルミニウムを逆滴定する場合の種々の条件の検討および理論的考察
- ビスマス(III)標準溶液によるアルミニウムのEDTA滴定
- フッ素イオン電極と塩化アルミニウム分解を利用する無機化合物中フッ素の迅速分析
- フッ素イオン電極による無機フッ化物の迅速分析 : ベリリウムのマスキング及び試料の分解
- フッ素イオン電極を用いるフッ素イオンの定量 : 有機溶媒による感度の増加
- 1,10-フェナントロリンによるフェロシアン化物イオン及びフェリシアン化物イオンの吸光光度定量
- フルオロリン酸カルシウムとしてのフッ素の重量分析法
- ホウ酸半融法によるアルミナ質材料中の酸化カルシウムの定量
- マグネシアクロム質耐火物の共同分析結果と分析法
- I.G.法によるアンモニア合成触媒中の硫黄
- 鉄鋼中の硫黄の定量-1・2-
- 金属指示薬及び金属の光度定量試薬としてのキシレノールオレンジ及びセミキシレノールオレンジの検討
- ケイ酸塩分析のむずかしさ (ケイ酸塩分析 特別およびパネル討論会)
- アゾアゾオキシ化合物 (有機試薬 最近の傾向-2-(特集))
- ピコリンアルデヒド2-ピリジルヒドラゾン系試薬 (有機試薬-最近の傾向(特集))
- 総論 (有機試薬-最近の傾向(特集))
- 多量のマグネシウムが存在するときのカルシウムのEDTA滴定
- マンニットによるホウ素の旋光定量
- アルミナのホウ酸半融によるアルカリ定量
- ビスマス塩としてバナジン酸重量分析
- チオシアン酸塩によるビスマスの比色定量
- アルミニウム合金中の亜鉛の定量
- ケイ酸塩分析のむずかしさ
- アゾアゾオキシ化合物
- ピコリンアルデヒド2-ピリジルヒドラゾン系試薬
- 総論
- 多量のマグネシウムが存在するときのカルシウムのEDTA滴定
- マンニットによるホウ素の旋光定量 : 旋光法による定量分析法の研究(第1報)
- アルミナのホウ酸半融によるアルカリ定量 : 残サのX線回折および発光分光分析
- ビスマス塩としてバナジン酸重量分析
- アルミニウム合金中の亞鉛の定量 : イオン交換分離法
- チオシアン酸塩によるビスマスの比色定量
- フッ素含有試料の高温加水分解
- 7 X線分析
- X線によるガラス表面の微量スズの定量分析
- 活性炭による空気中のアルキル鉛のけい光X線分析(ノート)