メチルチモールブルーによる水銀(II)の比色定量
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概要
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金属指示薬として利用されるメチルチモールブルー(MTB)と水銀(II)との錯体を利用する水銀(II)の比色定量法を検討した.pH6.0における錯体の組成はMTB:Hg(II)=1:1,そのみかけの安定度定数はlog<I>K</I>=5.5であり,波長630mμに極大吸収を有し,そのモル吸光係数ε=1.01×10<SUP>4</SUP>である.水銀(II)2〜30μg/m<I>l</I>において比色定量が可能である.亜鉛(II),銅(II),鉛(II),鉄(III)および塩素イオンの共存は障害するが,水銀(II)の1/4量までの亜鉛,銅,鉛イオンはチオセミカルバジドまたはヨウ化カリウムにより,6倍量までの塩素イオンは,硝酸銀により妨害を除くことができる.本法は感度においてはジチゾン法に劣るが,操作は簡単迅速である.<BR>MTB-水銀(II)の630mμにおける吸収を利用し2〜30μg/m<I>l</I>の水銀(II)を水溶液中で比色定量することができる.ジチゾンなどを用いる抽出比色法と比べると感度の点では劣るけれども,本法の定量範囲の試料に対しては,操作が簡単迅速である点ですぐれており,実用性のある良法であると考える.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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