肝粘着性細胞およびKupffer細胞におけるtumor necrosis factorの産生とprostaglandinによる制御
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概要
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マウスに<I>Propionibacterium acnes (P. acnes)</I>加熱死菌を静注すると,一週後には肝臓に単核細胞が浸潤し,微量のlipopolysaccharide (LPS)を追加静注すると,広範な肝細胞壊死が誘導される.著者らは,この肝細胞障害の誘導にある種のcytokineとアラキドン酸代謝産物が関与する可能性があることを示唆した.本研究では,正常マウスKupffer細胞ならびに<I>P. acnes</I>投与マウスの肝粘着性細胞を分離し,tumor necrosis factor (TNF)の産生とそのprostaglandin (PG)による制御について検討した.その結果,LPS刺激によりKupffer細胞ならびに肝粘着性細胞からTNFが産生されること,その産生がPGEおよびPGI<SUB>2</SUB>によって抑制されることが明らかとなった.以上の結果は,肝局所の炎症反応の制御にPGが関与することを示唆すると同時に,PGEあるいはPGI<SUB>2</SUB>投与により,本モデルの肝障害が著明に軽減されるという著者らの以前の成績の一端を説明できると考えられる.
著者
-
森澤 成司
大阪市立大医生化学
-
門奈 丈之
大阪市立大学
-
山本 祐夫
大阪社会医療センター
-
近藤 洋子
大阪市立大学医学部第一生化
-
河田 則文
大阪市立大学 大学院肝胆膵病態内科学
-
筒井 ひろ子
大阪市立大学
-
小林 絢三
大阪市立大学
-
溝口 靖紘
大阪市立大学医学部内科学
-
市川 裕三
大阪市立大学医学部第1生化
-
申 東桓
大阪市立大学医学部第1生化
-
申 東桓
大阪市立大学医学部公衆衛生
-
近藤 洋子
大阪市立大学医学部第3内科
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