特発性血小板減少症を伴ったルポイド肝炎の1例
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概要
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比較的稀な合併症である特発性血小板減少症(ITP)を合併したルポイド肝炎を経験し,抗スルファチド抗体の推移を中心に報告した.症例は42歳,女性,両側膝関節痛や強度の全身倦怠感が初発症状であった.確診前より投与したSNMCによりtransaminaseは改善したが,γ-glは依然高値であった.経過中,血小板減少がさらに進行したためプレドニンを投与した.その後,transaminase, γ-gl,血小板数は正常値となった.血小板の著明な減少前の抗スルファチド抗体はIgG型陽性,IgM型陰性,抗血小板抗体陰性であったが,血小板の著減時にはIgM型抗スルファチド抗体や抗血小板抗体も陽性となった.ステロイド投与後,血小板数は上昇し,IgM型抗スルファチド抗体や抗血小板抗体は陰性となった.抗スルファチド抗体は自己免疫性肝炎やITPでの標的抗原との報告があることから,両者の合併した症例でこれらの自己抗体の推移を検討できたことは興味のある事と思われた.
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