特発性細菌性腹膜炎に関する臨床的研究
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概要
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最近数年間に経験した8症例の特発性細菌性腹膜炎(SBP)を報告し,その代表的な一症例を提示し,全症例につき臨床像,臨床検査成績,経過と治療を総括してのべた.全例が腹水を有する非代償性肝硬変患者で,腹痛,Blumberg徴候および筋性防禦,発熱が主要症状であった.診断は腹水における多核白血球増加及びグラム染色または培養による病原菌の検出であり細菌培養は4例に証明されKlebsiella 3例,Sta. epider midis 2例,Sta. aureus 1例が検出された.2例は抗生物質治療で治癒し退院できた.腹水を有する非代償性肝硬変患者にはSBPを合併する可能性が大であり,また本症の合併が肝硬変を悪化させ死の転帰をもたらすものが多いが,診断は比較的容易で治癒可能な疾患であり,早期診断と早期適切な治療による奏効が期待しうる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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満谷 夏樹
大阪厚生年金病院臨床病理検査科
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藤田 峻作
大阪厚生年金病院内科
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吉岡 博昭
大阪厚生年金内科
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椋田 知行
大阪厚生年金病院内科
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石津 弘視
大阪厚生年金病院内科
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小泉 岳夫
大阪厚生年金病院内科
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満谷 夏樹
大阪厚生年金病院 内科
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石津 弘視
大阪厚生年金病院 内科
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小泉 岳夫
大阪厚生年金病院 内科
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椋田 知行
大阪厚生年金病院 内科
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