過去の剖検例におけるHBs-Agの検索肝硬変,肝癌症例を中心にして
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概要
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志方らによって見いだされたパラフィン切片を用いてのHBs-Ag染色法の1つAldehy-de-Fuchsin染色を用い,過去の剖検例の中から肝硬変,肝癌例を対象として形態学的にHBs-Agの検索を試みた.その結果,1) 対象例の約30%に本法陽性例を見いだした.肝硬変のみの症例では女性の陽性率が高かった.2) ヘパトーム例では男女ともに約40%に本法陽性例を認めた.3) 対象例中酒客では約25%に本染色陽性者を認めたが,高度の肪肪球発現を伴う肥大性肝硬変の3例はすべて陰性であった.4) 18年前同一家系に肝障害例が多発して問題になった脳症状を主徴とした肝硬変の1症例に今回本法陽性であることを確認し,最近ヘパトームで死亡したその実弟の肝組織にも陽性細胞を認め,HB-抗原集積家系であることを形態学的に立証した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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