第30回 Physical Electronics Conference に出席して
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概要
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MilwaukeeのWisconsin-Milwaukee大学において今春3月30日から3日間開かれたPhysical Electron-icsConf.に出席する機会を得たので, 印象に残った発表について述べてみたい.<BR>故W.B.Nothingham (ノッチンガム真空計の発明者) によって始められたこの会合は, 電子管, 真空計などに関する問題を取り上げた時期もあり, 真空とは係わりが深いものである.最近はいわゆる表面物理についての報告が大部分を占めていて, 米国物理学会の “Elec-tronandAtomicPhysics” 分科会のTopical Con-ferenceに指定されている.論文を応募の約半数に制限しても会場を1ヵ所にして, 最新の話題を討論することに重点を置いたそうで, ややinformalな性格の会である.講演場でもロビーでも活発な意見の交換が見られ, 年令や地位などにはとらわれない自由な雰囲気が感ぜられた.発表件数は予定された53件のうち49件 (参加不能のための取消しがあつた), 参加登録者は173名であった.<BR>半導体の固体電子現象を扱った4件程を除くと, 発表はほぼ3つのグループに大別される. (1) 表面現象に関するもの : 固体表面での吸着, 脱着, 蒸着あるいは拡散現象を追求する. (2) 荷電粒子と表面との相互作用に焦点を合わせたもの. (3) 表而の構造に関する理論的研究.<BR>多くの報告において複数の実験手法を組み合わせて効果をあげているものが目立っ.手法別にひろってみると次のようになる.低速電子回析 (LEED) 13件, オージェ電子分析 (AES) 10件, 仕事関数の測定6件, 熱脱着5件, 電界イオン顕微鏡 (FIM) 2f牛, 電子衝撃脱着2件.<BR>LEEDにAESが加わり, 研究に著しい進展がみられたと同様な効果が, FIMや電界電子顕微鏡 (FEM) にっいて報告された新たな工夫においても期待されよう.こうした装置の改善などによって見出された新しい現象についてまずふれておく.
著者
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