逆性石鹸の繊毛虫Colpoda asperaに対する毒性試験

概要

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活性汚泥由来のColpoda asperaはAlcaliganes faecalis IFO 13111と共に培養され,それに4種の逆性石鹸を加えることによってC. asperaに対する急性毒性試験を試みた.逆性石鹸としては,benzethonium chloride(BTC), benzalkonium chloride(BKC), didecyl dimethyl ammonium chloride(DAC), およびmethyl dodecyl xylilene benzyl ammonium chloride, methyl dodecyl xylilene trimethyl ammonium chlorideとpolyoxyethlene octyl phenyl etherの3種等量合剤(MAC+a)を供試した.毒性評価としては各逆性石鹸添加24時間後におけるC. asperaの比増殖速度が50%に低下する濃度(EC50)を求めた.その結果,C. asperaに対するBTC. BKC, DACおよびMAC+aのEC50はそれぞれ4.31,2.89,1.67および3.84mg/lであった.また,BTC, BKC, DACおよびMAC+aの実際の使用濃度はC. asperaに対するEC50値以下とする必要があり,その希釈値はそれぞれ66,98,47および40倍以上であると推察された.以上の結果から,C. asperaに対する毒性はDACが最も強く,次いでBKC, MAC+a, BTCの順であった.一方,実際の使用濃度とEC50値から供試逆性石鹸の安全性を評価したところ,MAC+aが最も安全で,次いでDAC, BTC, BKCの順であることが明らかとなった.