モネンシンおよびサリノマイシンがめん羊の第一胃内容汁のin vitro泡沫安定性に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鼓脹症誘起飼料を給与しためん羊の第一胃液を用いたin vitro実験で,モネンシンおよびサリノマイシンが第一胃液性状に及ぼす影響を検討し,この結果から,これらイオノフォアの鼓脹症抑制効果を検討した.試験区として,対照区と,モネンシン1, 3, 5ppm,サリノマイシン1, 1.5, 2, 3ppmをそれぞれ供試胃液に添加した区を設けた.第一胃フィステルを装着しためん羊6頭から朝の給餌後2時間目に第一胃液を採取し,これらをよく混合して各試験区に分配した.この結果,培養4時間後のpH,培養2時間後のガス産生量,Ingesta Volume Increase (IVI)には,モネンシンおよびサリノマイシン添加の影響があまり見られなかった.第一胃汁の粘度の値は,モネンシン添加の全区およびサリノマイシン3ppm添加区で対照区に比べて有意に小さくなり,第一胃液の泡沫安定度を示すStableIVIの値は,2時間培養後の値ではモネンシン3ppm,5ppm添加区の値が,また,4時間培養後の値ではモネンシン3ppm,5ppm,サリノマイシン2ppm,3ppm添加区の値がそれぞれ対照区に比べて有意に小さくなった。これらのin vitro実験での結果から,モネンシンおよびサリノマイシンのいずれも鼓脹症抑制効果が十分に期待できると考えられた.ただ現行の認可濃度では,モネンシン(30ppm)の方がサリノマイシン(15ppm)より鼓脹症抑制効果が大きいと予想された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 3カ月及び8カ月まで飼育した子羊の発育と産肉成績
- 9カ月齢ラム肉の食味と消費の可能性について
- 9カ月齢まで飼育した子羊の増体・産肉成績について
- エチルアルコールを添加した低食塩豚肉パティの諸性質
- 6カ月齢ラム肉の食味と消費の可能性について
- 6カ月齢まで飼育した子羊の増体・産肉成績について
- サラブレッド種子馬の哺育期における個体維持行動
- 反すう動物の第1胃内容液の粘度について : I.穀類飼料多給の影響
- サラブレッド種子馬の哺育期における行動
- 1ヵ月齢で屋外に出した哺育期のサフォーク種母子ヒツジ間距離の変化
- 三元交雑種子めん羊(母羊:サフォーク種,種雄羊:コリデール種×チェビオット種)の増体および産肉成績について
- 有機酸を添加した低食塩ピックルによる豚肉の塩せき
- ホロホロ鳥卵の保存中における性状の変化
- モネンシン添加が鼓脹症誘起飼料を給与しためん羊の第一胃内容液の性状に及ぼす影響(畜産学関係)
- 濃厚飼料多給がめん羊の第一胃内容液のpH,粘度,可溶性炭水化物含量および原虫数に及ぼす影響
- 反すう動物の第一胃内容液の粘度について(第2報) : 給与トウモロコシの形状の影響
- 石灰処理がモミガラの栄養価に及ぼす影響
- モネンシンおよびサリノマイシンがめん羊の第一胃内容汁のin vitro泡沫安定性に及ぼす影響
- めん羊の第一胃内容液性状,第一胃内プロトゾア数,食欲に及ぼす灯油の影響
- 動, 植, 鉱物性油脂がめん羊の第一胃内容液のin vitro泡沫安定性に及ぼす影響
- タローエステルがあん羊の第一胃内容液の泡沫形成に及ぼす影響