去勢雄山羊の枝肉成績および肉の理化学的性状
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概要
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日本ザーネン種雄5頭を生後50日齢で去勢し,生体重80kgまで飼育を行ない,枝肉成績および筋肉の一般成分,脂肪酸組成,色調並びに腎脂肪の脂肪酸組成を測定した.枝肉歩留は51.2〜54.2%,平均52.7%であり,半丸の前,中,後躯の割合はそれぞれ38.0%,35.7%,26.3%で前勝ちの体躯であった,前躯の骨,脂肪,筋肉の割合は15.4%,25.1%,59.5%,後躯では15.6%,23.7%,60.6%で,前躯においては脂肪の割合が,後躯においては筋肉の割合がやや高い値を示した.ロース芯の断面積は第5〜6胸椎間では9.7〜16.0cm2,平均12.5cm2,第12〜13胸椎間では13.8〜21.9cm2,平均18.7cm2で,比較的大きなばらつきがあった.筋肉の一般成分のうち,水分は71.8〜74.3%,粗タンパク質は20.3〜22.2%,粗脂肪は2.2〜5.2%であり,胸最長筋および大腿二頭筋において脂肪含量が高く,水分含量が低い値を示した.肉色は赤味が強いが,暗い色調であった.筋肉脂質の脂肪酸組成は各筋肉とも類似したパターンを示し,C18:1が全脂肪酸の1/2以上を占め,次いでC16:0,C18:0,C18:2でこれら4種の脂肪酸が87〜90%を占めた.全飽和脂肪酸含量は30〜34%で,不飽和度が高かった.腎脂肪の脂肪酸組成もC18:1が最も多く,次いでC18:0,C16:0の順で,これら3脂肪酸が全体の約90%を占め,全飽和脂肪酸含量は約59%で飽和度が高かった.枝肉の解体中およびロース肉の試食によって得た印象では雄山羊独特の臭気はほとんど感じられず,食味も佳良であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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山中 良忠
東京農業大学富士畜産農場
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高橋 強
東京農業大学農学部畜産学科
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高橋 強
東京農業大学農学部
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松岡 昭善
東京農業大学農学部畜産学科
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福崎 直美
東京農業大学富土畜産農場
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山中 良忠
東京農業大学
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高橋 強
東京農業大学
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松岡 昭善
東京農業大学
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松岡 昭善
東京農業大学農学部
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