肥育牛の牛肉生産効率に及ぼす純粋種および交雑種と性の影響
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概要
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肥育期間における牛肉の生産性を,TDN要求率,枝肉から採れる筋肉,筋肉+脂肪の生産量および部分肉ごとに筋肉量に対する最大含有脂肪量を所定の割合に補正した牛肉生産量のTDN 1kg当りの生産量を,それぞれ,筋肉生産効率,見かけの生産効率および脂肪補正生産効率として,これらの生産効率について,純粋種と交雑種についてそれぞれ交配種雄牛との組合せ単位を群とした場合の群間の比較と去勢牛と雌牛について性間の比較を行なった.供試牛は群間の比較では,純粋種と交雑種を合わせて合計12群,153頭の去勢牛を用いた.また,性間の比較では,それぞれ同一種雄牛の産子である去勢牛と雌牛で,純粋種および交雑種の合計72頭を用いた.供試牛は大部分のものについて個体別に飼料摂取量を測定し,また成長を追って連続的に屠殺し,その左半丸枝肉の組織構成割合を調べた.肥育期間の筋肉および牛肉の生産効率は,それぞれ摂取TDN 1kg当りの肥育期間に生産された量として求めた.TDN要求率は,群間および性間のいずれの場合も差がみられ,群間では一般に発育能力が高く,枝肉中の筋肉割合の多いものが脂肪割合の多いものより,また性間では去勢牛が雌牛よりも,いずれも優れていた.ホルスタイン種および交雑種のうちの筋肉割合の多い枝肉を生産した群ではとくに低い値を示した.またTDN要求率はとくに脂肪の生産との関係が深いと考えられた.TDN 1kg当りの筋肉の生産効率は,去勢牛全体の平均で48.0gであり,去勢牛と雌牛との比較では,それぞれ54.4gと46.3gであった.また牛肉の見かけの生産効率および脂肪補正生産効率は,枝肉中脂肪割合が30%の場合,去勢牛の全群の平均値で,それぞれ98.2gおよび78.2gで,去勢牛および雌牛では,それぞれ104.2gと96.8g, 84.0gと76.8gであった.これらの効率には,各群および性で,ともに増体量中の脂肪割合が最も大きく影響すると考えられた.
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