黒毛和種, 日本短角種およびホルスタイン種去勢肥育牛の枝肉組織の発育パターンと枝肉構成の差異
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概要
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黒毛和種33頭, 日本短角種16頭, ホルスタイン種18頭の若齢去勢牛を濃厚飼料飽食の高栄養条件下で肥育した後, 黒毛和種335-674kg, 日本短角種353-663kg, ホルスタイン種460-689kgの体重範囲で段階的に屠殺し, その枝肉左半丸を筋肉, 脂肪, 骨および腱等に分離し, 枝肉の構成を調査した. 屠殺体重, 枝肉重量, 枝肉中筋肉, 脂肪および骨重量と筋肉+骨重量に対する枝肉中の筋肉, 脂肪および骨重量と筋肉: 骨比の相対発育には品種間差がみられ, また全枝肉の幾何平均重量155.4kgでの枝肉構成内容にも品種間に差異が認められた. 平均枝肉重量での各組織量は黒毛和種では筋肉が多く骨が少ないのに対して, ホルスタイン種は筋肉と骨が共に多く, また日本短角種は脂肪が多かった. 筋肉と骨の相対発育関係はとくに黒毛和種とホルスタイン種では, 骨重量に対して筋肉が一定して増加したのに対して, 日本短角種では筋肉の増加は一定でなく, しだいに増加度が低下した. 脂肪の発育では日本短角種が他の2品種に比べて, 筋肉および骨の発育に対する相対発育がいずれも有意に大きかった. 筋肉: 骨比は黒毛和種が他の2品種よりも骨重量にかかわりなく大きく, かつ骨の重量が変化しても筋肉: 骨比はほぼ一定であったことから, 遺伝的能力の違いによるものと考えられた. また黒毛和種とホルスタイン種では, 筋肉と脂肪の相対発育と平均枝肉重量での脂肪1筋肉比に差がなく, 骨を除いて両品種は似た発育様相を示した.また黒毛和種は枝肉中骨割合が他の2品種よりも少ないが, 日本短角種のように脂肪割合が多くなることなく, 高い筋肉割合を維持した.
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