去勢牛の枝肉脂肪生産とその分布,および内臓脂肪生産に及ぼす栄養水準の影響
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概要
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日本短角種去勢牛を用いて,牛枝肉中の脂肪生産量と各脂肪組織別の分布量,および内臓脂肪生産量に対する栄養水準の影響を発育段階を追って検討した.栄養水準はH-H, M-M,M-HとL-Lの四通りで,Hは飽食,MとLは一日当たり増体量をそれぞれ0.75kgと0.60kg以下となるよう飼料を制限給与した.枝肉から刃で分離しうる脂肪(TDF)重量は,同一筋肉+骨重量を基準に比較すると,栄養水準が高くなるにつれ多くなる傾向があった。枝肉脂肪を皮下,筋間,腎臓+骨盤腔,内面の各部位に分け,それぞれの生産様相を,同一TDF重量基準で比較すると,皮下,筋間,腎臓+骨盤腔の各脂肪はL-L区以外の区では,いずれもほぼ同様な割合で生産された.L-L区ではTDF重量に対する皮下および腎臓+骨盤腔脂肪の生産勾配は,前者では他区より低く,後者で高かった.また筋間脂肪は他区より生産量が大であった.いずれの栄養水準でもTDF重量が増すにつれ,皮下脂肪割合が増し,筋間脂肪割合が減少した.筋肉内脂肪量はL-L区が他区より高かったが,その原因として肥育日数の多いことが考えられた.内臓脂肪生産量をTDF重量基準で比較すると,H-H区が他区より一段と多かった.
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