デンマークおよびドイツから輸入されたチーズ中のプロティナーゼ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
デンマークとドイツからの輸入チーズ4種類(サムソーチーズ,マリボーチーズ以上デンマーク,ティルジットチーズ,トラピストチーズ以上ドイツ)中に含まれているプロティナーゼをCM-セファデックスで分離した.その結果,いずれのチーズからも3種類のプロティナーゼが0.3,0.6および0.8-0.9Mの塩濃度で溶出した.各プロティナーゼの至適pH,各種試薬の影響およびカゼインに対する作用を調べた結果,同じ塩濃度で溶出したプロティナーゼは同じ性質を示した.従って,同じ酵素と考えられた.0.3Mで溶出したプロティナーゼはpH3.8-4.0で最も活性が高く,ペプスタチンで完全に失活した.また,κ-カゼインを速やかに分解し,パラκ-カゼイン様分解物を生成した.0.6Mで溶出したプロティナーゼはpH 4.0で最も活性が高く,ペプスタチンで完全に失活した.また,κ-カゼインを速やかに分解し,αs1-Iカゼイン,β-Iおよびパラκ-カゼインと移動度を同じくする成分を生成した.以上の両酵素の性質は,これら酵素がチーズ製造に使用された凝乳酵素であることを示唆した.また,後者の性質に凝乳酵素のキモシンのそれと一致した.0.8-0.9Mで溶出したプロティナーゼは至適pHを8.0付近に有し,大豆トリプシンインヒビターとジイソプロピルフルオロフォスフェイトで強く阻害された.また,γ-カゼイン様分解物を生成した.これらの性質はミルクアルカリ性プロティナーゼのそれと一致した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- Lactobacillus delbruekii subsp. bulgaricus IFO13953 による発酵乳中の加水分解生成ペプチドとそれらの同定
- 市販ヨーグルト中のペプチドとその構造
- チーズの機能性に関する研究
- チーズの機能性に関する研究 抗腫瘍活性(ガン細胞増殖抑制活性)に関する研究
- チーズの機能性に関する研究--ブルーチーズ由来抗酸化ペプチドの単離・同定および生物活性について
- スイゼンジノリ(Aphanothece sacrum (Sur.) Okada)を添加したチーズの試作およびそのタンパク質分解
- クロマメノキとハイブッシュブルーベリーの種間雑種の育成
- Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus IFO13953 で発酵させた発酵乳から分離された抗酸化ペプチド
- 原報 Penicillium roquefortiの小麦ふすま培養により生産する2種類の菌体外プロテアーゼ
- ベリー類果実の栽培と加工食品の開発並びに機能性成分の解明に関する研究
- ベリー類果実の栽培と加工食品の開発並びに機能性成分の解明に関する研究
- ベリー類果実の栽培と加工食品の開発並びに機能性成分の解明に関する研究
- チェダ-チ-ズ中の最適pH6.0のプロティナ-ゼ
- 畜産食品のおいしさに関する研究 (有用生物資源の探索と農業の生産性向上に関する研究)
- ゴーダチーズからの低分子ペプチドの分離とその一次構造
- チ-ズのおいしさに関する研究 (有用生物資源の探索と農業の生産性向上に関する研究)
- Lactobacillus bulgaricusの脱脂乳培養における蛋白分解 (生物生産向上のための遺伝子資源の保存,開発および制御に関する研究)
- 畜産食品のおいしさに関する研究 (有用生物資源の探索と農業の生産性向上に関する研究)
- デンマ-クおよびドイツから輸入されたチ-ズ中のプロティナ-ゼ
- チェダ-チ-ズ中の2種類の酸性プロティナ-ゼの精製と性質
- ヨーグルトの蛋白分解 : 食品
- 平成15年度日本酪農科学会賞受賞記念寄稿 乳発酵食品のタンパク質分解
- チーズの熟成機構
- デンマークおよびドイツから輸入されたチーズ中のプロティナーゼ
- チェダーチーズ中の2種類の酸性プロティナーゼの精製と性質
- ゴーダタイプチーズ中に存在する至適pH6.0のプロティナーゼの精製と性質
- ゴーダタイプチーズより得られる至適pH8.0のプロティナーゼの精製と性質ならびにミルクプロティナーゼとの比較
- 乳発酵食品と健康 : 特にチーズと健康機能について