ビーバー•ラムの製造試験
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概要
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国内産めん羊皮のビーバーラムとしての品質を製造工程を通して製品の上から判断する指標を得るため,また中間製品,最終製品の良否からそれぞれの製造工程を考察して,工程管理の条件決定に資するために本試験を行なった. 一定の条件で飼育し,8,10ヵ月令でと殺した系統の明らかなコリデール系雄小羊合計24頭の皮を用い,(1)重量法による生毛繊度,マッケンジー式単繊維試験器による繊維強さと伸び,ハンター白度の計測,(2) ビーバーラム用生地毛皮の製造と革部強さの測定,(3) 建染染料による染色試験,(4) 最終製品の測色と繊維強さ測定などを行なった.試験の結果をまとめるとつぎの通りである.1. 用いたコリデール系雑種の毛の繊度は19.6-30μ,その平均25.6μ,繊維強さは321-490g/mmφ,その平均400g/mmφ,伸びは25.8-44.5%,その平均32.6%,ハンター白度は65.2%-79.7%,その平均は74.3%であった.2. 貴化仕上げを行なった製品繊維の強さは295-471g/mmφ,その平均382g/mmφ,伸びは26.5-37.8%,その平均は31.4%であった.これらを生毛の強さおよび伸びと比較したところ統計的な有意差は認められなかった.3. 成育良好なものの革部の引張り強さは201-338kg/cm2でその平均は265kg/cm2,成育不良なものでは124-200kg/cm2でその平均は167kg/cm2であった.両者の平均値の間には1%の危険率で有意差があった.4. 製品革部に脂肪の残存を示したのは8ヵ月令で生体重45kg以上に達したもので,これは原皮重量や毛皮の厚みと必らずしも比例していなかった.5. 毛の光沢は羊の系統間で差異があった.またmoireの傾向も同様で,程度によってはアイロンかけで一部矯正された.6. 最終製品のD. S.当り重量は10.7gで十分に軽快であった.7. 建染黒色染色により,明度は17.9-20.0%で平均は18.6%であった.
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