第一胃内へのVFA点滴投与が乳成分組成におよぼす影響:VFAの混合投与

概要

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1. 泌乳中の乳牛2頭を用い,プロピオン酸と醋酸および酪酸を混合して第一胃内に点滴投与し,乳成分組成とくに乳脂率におよぼす影響について試験した.試験期7期の各期において,(1) 水注入,(2) プロピオン酸注入(1500ml/日),(3) プロピオン酸(1000ml/日)+酪酸(500ml/日)混合注入,(4) プロピオン酸(1000ml/日)+醋酸(500ml/日)混合注入,(5) プロピオン酸(1000ml/日)+醋酸(250ml/日)+酪酸(250ml/日)混合注入,(6) プロピオン酸注入(1500ml/日),(7) 水注入,の順に試験処理を行なった.酸の注入は,各酸を40lの水に溶解稀釈して第1胃内へ点滴投与した.2. プロピオン酸投与により乳脂率が低下し,蛋白質,カゼインおよび無脂固形分含量が増加した.プロピオン酸に醋酸および酪酸を個別ないしは共に混合投与することにより乳脂率の上昇が認められたが,水注入時のレベルには達しなかった.3. 乳脂のライヘルトマイスル価はプロピオン酸投与時に低下し,酪酸の添加により水注入時の値に戻った.4. プロピオン酸投与により血糖値が上昇し,血中ケトン体含量は低下した.醋酸および酪酸の添加により血中ケトン体含量がプロピオン酸投与時に比し上昇した.
社団法人日本畜産学会の論文