人工ルーメン法による第1胃内発酵に関する研究 : II. pHと揮発性脂肪酸(VFA)添加がVFA生成に及ぼす影響
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概要
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第1胃内のVFA生成に及ぼす要因について検討する目的で,人工ルーメン法により2つの試験を実施した.実験1:VFA生成に及ぼすpHの影響2段階の基質濃度において(2.5gおよび30g/300ml)培地のpHを5.8および6.8にそれぞれ調整した場合,各種基質からのVFA生成にいかなる影響を及ぼすかについて試験した.基質としては,セルロース,イネワラ,オーチャードグラス乾草,エンバク,トウモロコシおよび澱粉を使用した.pHが低下することにより全基質,特に繊維質のものからのVFA産生量が減少した.VFAモル比については,高基質濃度において,pHの低下とともに,醋酸の割合が減少し,かわってプロピオン酸,酪酸の割合が上昇する傾向が認められた.実験2:VFAの添加がVFA生成に及ぼす影響.VFA混液(醋酸50:プロピオン酸30:酪酸15:バレリアン酸5)を3段階の量(5,10および30mM/100ml)で,トウモロコシを基質(基質濃度5g/300ml)とする培地中に添加して試験を行なった.VFAの産生量は,5および30mM添加の際減少を示したが,10mM添加によって僅かながら増加した.VFAの添加により,醋酸のモル比が低下し,かわって酪酸のモル比が上昇したが,特に30mM添加の際に顕著な変化が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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