煎茶製造工程における香気成分の変化
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概要
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製茶工程中における香気成分の変化を調べるため,1974,1976の両年に,やぶぎたを原料とする製造を行い,その過程から,生葉,蒸葉,粗揉葉,精揉葉を採取して,それぞれの精油を調製し,GCおよびGC-MSによって分析した。<BR>精油収量は製造工程とともに減少する傾向で,とくに粗揉段階での減少が顕著であった。しかし,一番茶においては,蒸葉(30秒)の精油が生葉より相当量増加した。しかし,蒸熱時間が120秒と長くなると,精油量が減少した。<BR>精油中には,茶以外に由来すると考えられる不純物がかなり含まれていることがわかり,成分の同定された17ピークについて,工程中の変化を調べた。蒸し葉で大きく増加したピークは,cis-3-hexen-1-ol, cis-3-hexe-nyl acetate, linalool類を含むもので,これらは粗揉葉で減少した。蒸熱時間が長くなると,上記3成分のほかに,linaloolと硫化水素が大きく減少した。これら17ピークの面積比(%)の変化については,一定の傾向が見出せなかった。
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