受精卵移植を利用した肉用牛育種計画IV. 実用集団における改良効果の予測
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概要
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受精卵移植を利用した肉用牛育種計画において,中核育種場を地域単位に設置し,これを育種集団として閉鎖群による改良を図り,それから作出される種雄牛の精液をその地域の実用集団に供用するモデルを設定した,育種効率を比較するため,育種集団においては15年で選抜を中止し,以後は集団を維持しながら実用集団への伝達を図るものとした.種雄牛は10才まで供用し,実用集団の雌は平均4産で更新し,年齢順淘汰またはランダム淘汰を想定した.育種集団から毎年選抜される種雄牛は受精卵移植法が4頭,慣行法が2頭で供用年数を考慮すると実用集団で供用される種雄牛頭数は平年ベースで受精卵移植法32頭,慣行法12頭となり,精液の供給を受ける雌牛数はそれぞれ96,000頭,36,000頭と見こまれた.改良効果の試算にあたり考慮した項目は,形質の遺伝率,遺伝相関,育種集団の初期値,計画外種雄牛の初期値,当計画種雄牛の実用集団での充足率である.遺伝率が発育形質0.5,屠体形質0.4で両形質の遺伝相関が-0.2,育種集団の初期値+0.25標準偏差(σ),この育種計画外のその他種雄牛の初期値は実用集団と差がなく,かつ実用集団の雌牛を年齢順に淘汰すると仮定したときの結果は次のようである.すなわち,25年後の累積改良効果(各年次における産子の平均能力を第1年次から第25年次まで累積したもの)屠体形質では受精卵移植法が7.2σ,慣行法が3.0σで前者が2.4倍と推定された,また,受精卵移植を利用した肉用牛育種を推進するにあたっての問題点が論議された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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