連鎖不平衡が連鎖解析の効率に及ぼす影響
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概要
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連鎖不平衡の程度が連鎖解析の効率に及ぼす影響をコンピュータシミュレーションによって調べた.染色体の長さは0.6,1.2または1.8M(モルガン),DNAマーカー問の平均組換率は0.05,0.10,0.15および0.20の4通りとした.遺伝子あるいはDNAマーカー(以下,DNAマーカーとする)はすべての座位で共優性を示す頻度の等しい2つの多型を仮定した.標準家系は,ある品種の雄3頭とそれとは異なる品種の雌6頭を交配して得られた雄12頭,雌24頭のF1から,二重相互交配によって得られた192頭のF2個体より成るものとした.この標準家系のDNAマーカーの多型を調べることによって,染色体の長さとマーカー間の組換率を推定するとともに,平均ロッドスコア(Z)を算出した.DNAマーカーは染色体上に等間隔にある場合とランダムにある場合の2通りを想定した.その結果,連鎖解析の効率は,一方の集団が連鎖平衡のときは他方の集団の連鎖不平衡度に影響されなかった.しかし,連鎖不平衡が同方向の場合には,集団の連鎖不平衡度が強くなるにつれて連鎖解析の効率は高くなる傾向にあった.このことから,特定の形質を同じ方向に選抜した集団に基づいて標準家系を作成した場合,遺伝子間の連鎖解析が効率的に行われる可能性が示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
- 1997-10-25
著者
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