妊娠ラットにおける蛋白質とエネルギー蓄積量の変化

概要

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体重約200gのウィスター系雌ラットを供試した.カゼイン,コーンスターチおよび大豆油を主体として調製した精製飼料(DCP:15%,ME:3.8 kcal/g)を,1日1匹当り15gを給与した条件下で,胎児,胎盤および羊水などの受胎産物をとり除いた,いわゆる母体における蛋白質とエネルギー蓄積量について妊娠の経過にともなう変化を検討した.また,妊娠時と同一飼養条件下で飼育した非妊娠ラットの場合との比較も行なった.その結果,胎児および胎盤の成長が緩慢な妊娠17日以前においては,母体に蛋白質を蓄積し,胎児および胎盤の成長が急速となる妊娠17日以降においては,母体の蛋白質を胎児や胎盤へ供給していることが推測された.この結果は,NAISMITHとMORGAN,およびNIIYAMAらの発見を再確認していた.一方,エネルギー蓄積量に関しては,妊娠ラットと非妊娠ラットとの間に有意差は認められず,妊娠時の蛋白質代謝に認められたような明瞭な二相性の変化は観察されなかった.
社団法人日本畜産学会の論文