ベトナム・メコンデルタのハエからのサルモネラの分離

概要

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2004年7月から2005年4月までの間に，ハエのサルモネラの媒介者としての役割を知るために，ベトナム・メコンデルタの養豚場6ケ所，と畜場1ケ所および市場2ケ所でイエバエ128匹とクロバエ366匹の計494匹のハエを捕獲した。サルモネラは494匹中38匹（7.7％）から分離された。と畜場（15.5％）で捕獲したハエからのサルモネラの分離率は，養豚場（4.5％）や市場（6.5％）のものに比べ有意に高かった。また，クロバエ（9.8％）からの分離率はイエバエ（1.6％）に比べ有意に高かった。38匹のハエから分離されたサルモネラ41菌株は，14血清型に型別され，Typhimurium, Panama, Newport, Derby, Bareilly, LexingtonおよびAnatumの次に多かった。分離されたサルモネラ41株中38株（92.7％）がSM, OTC, KM, NA, ABPC, SMX, CPおよびGMのいずれか1つかそれ以上に耐性を示したが，CEZ, CTRX およびCPFXに耐性を示した株は認められなかった。ハエはベトナム・メコンデルタにおいて，人と家畜との間で疫学的に重要な役割を果たしているものと思われる。