アスベスト曝露歴のある患者に発症した三重癌の1例

概要

背景.アスベスト曝露歴を含める複数の発癌危険因子を持つ患者は重複癌を発症する場合がある.症例.75歳,男性.30年以上にわたる職業でのアスベスト曝露歴あり.会社の定期検診で撮影された胸部X線およびCTにおいて,右下葉および左下葉に結節影を指摘され,精査のため当院に紹介された.入院後に行われた右下葉の結節影に対するCTガイド下肺生検の結果,肺扁平上皮癌と診断された.さらに全身検索を行ったところ,胃癌,大腸癌が合併しており三重癌であることが判明した.また,肺,縦隔および肺門リンパ節,肝臓に多発転移があり全身化学療法の適応と判断した.抗癌剤は各々の癌に奏効し得る化学療法としてirinotecanとS-1の併用療法を選択した.3コース治療した時点で腫瘍は縮小傾向であった.結論.アスベスト曝露歴がある際に,肺癌の発症率が高いのはよく知られているが,胃癌や大腸癌の発症率も高いとする報告もある.特に発癌危険因子を複数持つ症例においては,重複癌の存在に留意すべきである.

著者

今井 幸弘 神戸市立医療センター中央市民病院病理科
富井 啓介 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
西村 尚志 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
石原 享介 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
西村 尚志 神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科
秦 明登 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
片上 信之 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
今井 幸弘 神戸市立医療センター中央市民病院 免疫血液内科
石原 享介 神戸市立医療センター中央市民病院
富井 啓介 神戸市立医療センター中央市民呼吸器内科

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