胎生期・周産期における脳障害の神経学的長期予後:てんかんの発症とその要因
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概要
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胎児期・新生児期を起因時期とする脳障害とてんかん発症の関連を知るために、当院NICUを退院し、外来において3年間以上の観察をした357例について後方視的研究を行った。てんかんを発症したのは15例であった。出生体重1,500 g未満の児ではてんかん発症率は2.8%、平均てんかん発症年齢は51カ月であり、てんかん治療予後が良好で、アプガースコアが低値(1分後3点以下)、新生児期脳室内出血を既往にもつものが多かった。出生体重1,500 g以上の児ではてんかん発症率は5.2%、平均てんかん発症年齢は21カ月、てんかん治療予後不良のものが半数以上認められ、出生前脳室周囲白質軟化症、周産期低酸素性虚血性脳症を合併したものが多かった。てんかん発症例において、新生児期脳室内出血および周産期低酸素性虚血性脳症を合併したものが有意に多く、また6カ月以下でてんかんを発症した例はいずれも難治性てんかんであった。
- 日本てんかん学会の論文
著者
-
今高 城治
獨協医科大学小児科学
-
山内 秀雄
獨協医科大学小児科学・埼玉医科大学小児科
-
鈴村 宏
獨協医科大学医学部小児科
-
河口 修子
獨協医科大学小児科
-
坪井 弥生
獨協医科大学小児科
-
坪井 弥生
獨協医科大学 小児科
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