教師の成長に関する地域比較-2011年度質問紙調査の結果から-
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概要
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本研究の目的は,小・中学校教師を対象に2011年度に3県で実施した質問紙調査の結果に基づいて,教師の成長とその契機を世代別に地域比較を行い,彼らの成長のあり方の共通性と差異性について考察することである。 その結果,以下のことが明らかになった。教職を目指す者は,被教育体験期において世代や地域に関係なく類似した経験をし,教師になっていく。さらに,入職後のプライベートな経験や,子ども・同僚・学外での重要な他者との日常的なインフォーマルな交流経験においては,教師の成長に与える影響に共通性がある。どの地域でも教師は同じように成長していると言える。一方,大学時代の学習経験,入職後の職位の変化,様々の研究・研修,社会的活動の影響力が, 地域によってやや異なっている。各大学の教員養成のあり方や学生文化,各教育委員会の方針,現職教育システム,教育課題,教師文化などの違いが影響を与えていると推察される。The purpose of this study is to analyze the common and different points of teachers'professional development and their turning points with each generation based oncomparative data of quantitative investigations of primary school and junior high school teachers at three regions in 2011.From this survey, some important findings were drawn. The people who have an ambition to be a teacher become a teacher with similar experience on childhood. Also privateexperience and daily communication with pupils, colleagues and significant others out of school are very important for teachers' professional development. It is considered that theway of their growth as a teacher is common in all regions in Japan. On the other hand, the impacts of learning experience in their university, the change of position in school, variousstudies and trainings, social activities are different. The results show that the difference of teacher training system, student culture, the policy of Board of Education influence theirexperience.
- 2013-03-31
著者
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