管理職への移行期における教職アイデンティティの再構築-小学校校長のライフヒストリーに注目して-
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概要
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本研究の目的は,4名の小学校校長のライフヒストリーをもとに,一般教諭から管理職への移行を考察することを通して,管理職としての教職アイデンティティ形成プロセスを究明し,教師の成長モデル構築に寄与することである。研究の結果,以下のことが明らかになった。第一に,一般教諭から教頭への移行期は,一般教諭との関係性の編み直しを必要とするため,教職アイデンティティが揺さぶられる危機的な時期として捉えられる。その時期をうまく乗り超えていくことが,管理職としての新たな教職アイデンティティを形成していくにあたって必要である。第二に,教頭から校長への職位の変化における教職アイデンティティの揺らぎは,一般教諭とのコミュニケーション機会の減少や,最終決定責任者としての重圧に起因することがある。以上のことから,教頭と校長では異なる課題があり,それらを克服していくことが,彼らの新たな教職アイデンティティ形成にあたって重要である。The purpose of this study is to analyze the process that teachers build teacher identity of administrator during their transition period from teacher to principal based on 4 elementary school principals' life histories and to contribute to construct the model of teacher development.From this survey, some important findings were drawn. First, the transition period from teacher to vice-principal is the crisis situation that it is difficult that a teacher keeps teacher identity because he/she needs to reconstruct the relationship with other teachers. To overcome the problem is necessary for him/her to build new teacher identity of administrator. Second, the reduction of opportunities of the communication with teachers and the presser of the top teacher in charge cause of the difficulty maintaining teacher identity in the change form vice-principal to principal.Therefore, there are the different problems between a vice-principal and a principal and it is important for them to overcome them to build their new teacher identity.
- 2012-03-31
著者
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