生態系に配慮した増殖指針作成事業
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概要
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現在、アユの増殖事業は主として人工種苗の放流によって行われている。このような人工種苗放流は、天然魚の集団に遺伝的・生態的かく乱をもたらす事が懸念されているが、アユについては具体的な危険回避措置がとられている例がまだ少ない。実際に、懸念されている問題が現実のものとなった具体的事例として、冷水病のまん延問題があり、その被害は全国のアユ漁場で深刻な問題となっている。また、近年、我が国の多くの河川では、砂防事業の進捗等に起因すると思われる供給土砂の減少から、河床低下、あるいは河床のアーマー化といった現象が進行しつつあり、それに伴いアユ等河床の砂礫を産卵に利用する魚類の産卵環境も悪化が進んでいると考えられる。しかしながら、アユについては種苗放流以外の増殖技術が普及していないことから、天然遡上アユの生息しない河川はもとより、天然遡上アユの生息する河川においても種苗放流による増殖が盛んに行われている。そこで、天然魚に遺伝的・生態的かく乱をもたらさない手法で、天然アユ資源が効果的に増殖されるようになる事を目標とし、アユの人工産卵場造成技術の開発(造成手法の再検討)と天然アユの増殖に適した産卵床の造成時期を明らかにする為の調査(時期別に産卵場を利用するアユの由来を調査する)に取り組み、その結果について、アユを対象とした増殖指針としてとりまとめることとし本事業に取り組んだ。
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