飼料用米など非主食用向け水稲多収新品種「つぶゆたか」の育成
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概要
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近年、価格が急騰した輸入家畜飼料の代替とするため、また濃厚飼料の自給率向上および耕作放棄地の解消のため、籾や玄米を家畜飼料とする飼料用米の生産が振興されている。さらに、米粉を利用した食品製造、玄米を原料としたバイオエタノール製造の取り組みも行われている。このため、多収性を備えた品種の要望が高まっている。岩手県で作付け可能で子実収量が多い品種としては、「ふくひびき」、「べこあおば」および「べこごのみ」が育成されているが、これらは多収性を備えているものの、障害型耐冷性が不十分であるため、年次によっては不稔によって著しい減収となることが懸念される。そのため、岩手県の気象条件に適した耐冷性の強い多収品種が、飼料用米などの生産者から求められていた。こうした背景のもと、育成された「岩南29号」は、障害型耐冷性が強く収量性もあり、岩手県中南部で栽培できる飼料用米など非主食用向け品種として有望であることから、「つぶゆたか」と命名され、2009年に品種登録出願を行った。ここに、本品種の育成経過ならびに特性について報告する。
著者
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