登熟後期における栽培ヒエの成熟特性からみた最適収穫時期
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概要
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栽培ヒエの最適な収穫時期を明らかにするために、2003年は栽培ヒエ5系統を用いて、出穂期後日数20日から40日、2004年は栽培ヒエ4系統を用いて、出穂期後日数20日から45日、2008年は2系統1品種を用いて、出穂期後日数25日から40日までの間に5日毎にサンプリングを行った。調査項目は、水分含有率、千粒重、発芽率、粗タンパク含有率、α-アミラーゼ活性、アミロース含有率、糊化特性を調査した。その結果、穂水分含有率は、降雨による影響がなければ、系統・年次が違っても出穂期後日数が進むにつれて低下した。千粒重、発芽率、α-アミラーゼ活性は出穂期後日数25日から40日の間には有意な差異は認められなかった。粗タンパク含有率は、出穂期後日数が進むにつれて徐々に減少し、40日に若干上昇する傾向がみられた。アミロース含有率はウルチ性の「軽米在来(白)」は、出穂期後日数25日から40日の間には、有意差は認められなかったが、低アミロース系統の「ノゲヒエ」は出穂期後25日に対し40日が有意に高かった。70%精白粉の最高粘度は、出穂期後日数25~30日で高くなる傾向を示したが、各特性値は、出穂期後日数25日から40日の範囲内では、統計的有意差は認められなかった。しかし、出穂期後日数20~25日の早刈りは水分含有率が高く、また、出穂期後日数40~45日の遅刈りは降雨によるα-アミラーゼ活性の上昇により、最高粘度が低下して、品質低下を招くおそれがあるため、早刈り、遅刈りは避け、適期収穫は出穂期後日数30~35日と結論できる。
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