Rasmussen脳炎の14歳女児例 機能的半球離断術後4年間の経過
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概要
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雑誌掲載版14歳女子。成長、発達の経過に異常はなかった。学校で急に動きが止まり、意識消失する発作があり、救急搬送された。傾眠傾向を示す軽度の意識障害が持続し、脳波検査では右半球に高振幅徐波を認めた。初回発作から1年10ヵ月後、左上下肢に間代性けいれんが出現した。種々の抗けいれん薬を用いた治療は効果がなく、持続性部分てんかん(EPC)を生じた。右大脳半球の萎縮が出現し、EPC発症2ヵ月後には左片麻痺がみられた。Rasmussen脳炎と診断し、ガンマグロブリン療法、ステロイドパルス療法を試みたが、効果は一時的であった。EPC発症9ヵ月後に、右大脳半球の機能的半球離断術を施行した。けいれん発作は消失していたが発作性に嘔気・嘔吐が出現する自律神経発作が再燃した。右側頭葉の離断が不完全であったと考え、右側頭葉の焦点切除術を追加した。以後、けいれん発作の再燃はなく、全ての抗けいれん薬を中止することができた。
著者
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沖 潤一
旭川厚生病院小児科
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高橋 悟
旭川医科大学 小児科
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沖 潤一
旭川医科大学小児科
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沖 潤一
旭川厚生病院 小児科
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沖 潤一
愛知医科大学 小児科
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宮本 晶恵
北海道立旭川肢体不自由児総合療育センター小児科
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田中 肇
北海道立旭川肢体不自由児総合療育センター小児科
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沖 潤一
旭川医科大学 小
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