てんかんと診断し、致死的な心臓系疾患に気づかなかった2男子例について

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概要

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出張先の専門外来で診療しているてんかん患者のうち、合併していた致死的な心臓系疾患に気づかなかった2例について報告した。1例目は、9歳時に嘔吐、意識障害で発症し、局在関連性てんかんと診断していた肥大型心筋症と考えられた男子で、10歳9カ月の時に突然死した。てんかん発症時の心電図でQTc延長、左側胸部誘導で既にT波の陰転化があったが、生前には気づかずカルバマゼピンで治療していた。2例目は、2歳時に発症したミオクロニー発症と欠神発作を呈するてんかんの男子で、右心不全症状が顕著となった6歳になりようやく原発性肺高血圧症の診断ができた。後方視的に胸部X線写真を検討すると3歳から既に左第二弓が突出していた。てんかんの診断を行なう際は、心臓系疾患との鑑別が必要なことは言うまでもない。しかし、今回報告した例のように両者の鑑別は必ずしも容易ではなく、両者が合併する場合もある。このため、運動によって発作が誘発される場合はもう一度心電図、胸部X線写真を見直す必要がある。
2001-10-31

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