純粋自然科学の知識があればSTSリテラシーもあると言えるか : 3タイプのテストによる調査研究から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
科学的リテラシーは,科学上の「概念的知識」,「科学の本性」,「科学の倫理」,「科学と人文」,「科学と社会」及び「科学と技術」という6つのカテゴリーに属す理解・体得から構成される。これらのうち「科学と人文」,「科学と社会」及び「科学と技術」に属す理解・体得をSTSリテラシーと名づけた。大学新入生を対象として,次の調査を実施した。(1)高等学校生物の履修科目調査,(2)高等学校生物の内容である自然科学知識の調査,(3)科学,技術及び社会という三者(STS)が関連した問題に関する調査であった。その結果から,(1)純粋自然科学の知識は,それを扱う科目を履修すればそれだけ増加すること,しかしながら,(2)純粋自然科学の知識の獲得は,STSリテラシーの向上を必ずしも約束しないことが明らかとなった。よって,市民がSTS問題に出会ったとき適切な意思決定を行うための基礎としては,純粋自然科学を内容とする理科科目の履修だけでは足りないということが示唆された。The scientific literacy consists of understanding to belong to six categories: "conceptual knowledge", "nature of science", "ethics of science", "science and humanities", "science and society", and "science and technology". In this paper, understanding to belong to three categories called "science and humanities", "science and society", and "science and technology" was named STS literacy. It is to acquire pure scientific knowledge that it is respected in senior high school science education most. The pure scientific knowledge belongs to category: "conceptual knowledge". However, it became clear that STS literacy of students did not always improve because they acquired a lot of pure scientific knowledge in high school days, from the result of the investigation for the university freshmen.
- 千葉大学教育学部の論文
著者
関連論文
- 理科教師教育に関する日米比較研究 (2)
- 理科の教師教育に関する日米比較研究 (1)
- 子どもの学びを支援する地域と学校とのネットワークづくり(その1) : 理科指導助手の配置と地域の教育資源を生かした「わくわく理科授業」が、理科の授業改善と生徒の学習意欲やキャリア意識に及ぼす効果(自主シンポジウムG5)
- 1C-09 理科教師の進路選択の要因(教員養成,一般研究,日本理科教育学会第55回全国大会)
- 1H-09 理科にSTSの要素を組み込んだプログラムの開発と実践 : ヒトクローンの是非をめぐって(環境・STS・総合的学習,一般研究,日本理科教育学会第55回全国大会)
- 理科教育における科学史の活用について--我が国における研究の概観と今後の課題
- 高校「理科基礎」教科書における科学史の取扱い
- 2D02 生物教材研究文献データベースの作成
- 生物教材研究のデータベースのインターネット検索
- 31-4B4 日本の教員養成系大学・学部における環境教育の現状と課題
- A2-01 子ども達の持つ生命観 : 文献調査をもとにして
- 国立教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成カリキュラムの分析 : 教育職員免許法改定に伴う変化を中心として
- 教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成(III) : 教科専門科目関係カリキュラムについて
- 教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成(II) : 理科教育関係カリキュラムを中心にして
- 2A-7 教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成カリキュラムの教職員免許法改定前後の比較(2) : 理科教育関係科目、免許取得状況等について
- 2A-6 教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成カリキュラムの教職員免許法改定前後の比較(1) : 単位構成の全体像と教科専門教育科目について
- 2A-06 理科の教師教育の日米比較(その3) : 日米科学教育セミナーより
- 2A-05 日米理科教師教育の比較研究(1)
- 教員養成系大学・学部における中学校理科教員養成 (I) : 制度的枠組を中心にして (教員養成特集)
- C42 理科の教師教育に関する日米比較研究(4)
- C41 理科の教師教育に関する日米比較研究(3)
- 24 教授行動の分析 : 理科の授業を事例として
- 新学習指導要領・理科に対する小・中学校教員の賛否 : 教育課程委員会調査研究報告
- 1L-04 新学習指導要領・理科に対する小・中学校教員の賛否 : 教育課程委員会調査研究報告(一般研究発表(口頭発表),日本理科教育学会第59回全国大会)
- 第64回全国大会研究発表要旨 生物教材研究文献のデータベース化, 及びCD-ROMとインターネットによる利用
- 第62回全国大会研究発表要旨 生物教材研究のデータベースのインターネット検索
- 第60回全国大会研究発表要旨 生物教材研究の文献・資料集の作成について
- 科学を学ぶ価値を考える : 科学を豊かに多面的に捉えることから
- 理科における言語活動の多様な可能性を探る : アメリカ教科書の事例を中心として
- 課05-1 1.新教育課程・理科の特色(課題5 新教育課程の特色と具現化に向けた課題,課題研究発表,日本理科教育学会第58回全国大会)
- 2I-10 生物進化の教授・学習の検討(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表),日本理科教育学会第57回全国大会)
- C06 野田市における理科副教本の開発 (2) : 理科におけるキャリア教育の試み(生物教育, 日本理科教育学会 第45回関東支部大会)
- C05 野田市における理科副教本の開発 (1) : 開発の理念とプロセスを中心として(生物教育, 日本理科教育学会 第45回関東支部大会)
- 博物館と連携した課題研究授業の開発(教育実践・科学授業開発(5))
- 教師の環境教育観に関する日独比較研究(I.教育科学系)
- 4.大学の科学・技術系研究者のキャリア選択要因 : 主要因の記述の分析から(I.調査研究からみた科学教育の背景)(主題「科学教育のための地域における人材育成」)
- 3G6-15 大学の科学・技術系研究者のキャリア選択
- 学校における環境教育の在り方 : 総合的な学習の時間を中心に
- A3-2 環境概念形成からの提言
- 小・中学校理科授業における動物解剖の現状 (解剖特集)
- S2-4 教員養成系大学担当者の視点から
- 教員養成系大学担当者の視点から
- 総合的な学習の時代の環境教育
- 児童・生徒・学生の進化についてのイメージ : 進化をどのような現象と捉えているか
- 生物進化の教授価値の検討 : 我が国と米国における諸議論を手掛かりに(I.教育科学系,研究紀要50周年記念誌)
- 進化の理解と自然観・生命観・進化観との関係 : 進化学者と大学生との比較を通して
- 自然科学の知識の有無と新聞における科学記事の理解度との関係
- 主要な進化学説についての生徒の捉え方に関する研究 : 4つの進化学説に対する中学生・高校生・大学生の反応
- 小学校における学校ビオトープの現状と教師の意識
- 科学技術社会を支える理科教育 - 科学技術者と一般市民と -
- 自然の解明をめざす科学とそこにおける数学の有効性
- 29C-6 「総合的な学習の時間」における環境教育の地位 : 学習者及び教師対象の調査を主な手掛かりとして
- 高校生物II教科書における生物の進化の取扱い : 進化的内容の90カテゴリーとISM法を用いた分析
- 2C03 環境とSTSとを軸としキャリア教育の要素を加えた総合的な学習
- 2C02 学校における環境教育実態調査(2) : 環境教育の実施形態を中心に
- 2C01 学校における環境教育実態調査(1) : 環境教育の内容を中心に
- 第66回全国大会研究発表要旨 理科教育・生物教育におけるキャリア教育の要素 -アメリカの教科書の分析から考える-
- アメリカの理科教科書の豊かさ -「厳選」の日本が注目すべきこと-
- 3C07 アメリカ・カリフォルニア州の環境教育 : 教育局による「エネルギー資源」教育について
- 31-2B4 アメリカ・カリフォルニア州の環境教育 : 州教育局による環境教育プラン
- 第64回全国大会研究発表要旨 自作植物検索システムの開発とその活用
- 理科教師のカウンセリング・マインドと子供の学習意欲
- キャリア教育・進路指導の要素を取り入れた理科指導
- 中学校理科における地域に即した環境学習のあり方 : アサガオを指標とする大気汚染の調査を中心とした学習活動の構成
- 米国カリフォルニア州の環境教育 : Project Learning Tree との比較を交えて
- 日本理科教育学会次期教育課程への提言16 中学校理科 (第二分野) の内容に関する検討課題(1)
- I2-02 アメリカの理科教育におけるキャリア教育 : Holt社の理科教科書の分析
- B1-04 PLTの研究-その1- : アクティビティ構成の視点とその全体構成
- サイエンスリテラシー
- 1K-04 環境配慮行動の規定因と環境問題の種類との関係 : ゴミ問題と地球温暖化の場合(一般研究発表(口頭発表))
- 純粋自然科学の知識があればSTSリテラシーもあると言えるか : 3タイプのテストによる調査研究から
- 2G-06 理科指導助手の活動と地域の教育資源を活用した「わくわく理科授業」が理科の授業改善と生徒の学習意欲に及ぼす効果 : 新教育システム開発プログラム事業を活用した子どもの学びを支援する地域と学校とのネットワークづくり(一般研究発表(口頭発表))
- 2J-10 環境問題との調和のとれたエネルギー観を育む理科指導 : バイオマスを用いた教材の開発とその活用を通して(一般研究発表(口頭発表))
- 理科教育とキャリア教育との相互補完関係を生かす
- 理科における読解の重要性と読解力を育成する若干の視点
- キャリア教育から見た理科教育の課題
- 小・中学校理科授業における動物解剖の現状
- 課07-02 理科教育にも寄与するキャリア教育(理科におけるキャリア教育の実践,課題研究発表)
- 学校教育としての環境教育をめぐる課題と展望
- 11D-204 英国の「21世紀科学」教科書の内容分析 : 科学的リテラシーを備えた人物像の観点から(諸外国の科学・理科教育,一般研究発表(口頭発表))
- A-22 日英の理科教科書に見られる科学論的教授内容の比較分析 : 「21世紀科学」における科学的リテラシーに基づいて
- A31 中学校天文分野「太陽系のすがた」の授業プラン : 生徒実態調査と科学の多面性を踏まえて(セッションA3,日本理科教育学会第51回関東支部大会)