テキストマイニングをもちいた学部学生と現職教員の授業認知の比較
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概要
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The authors' objective was to compare teaching perceptions between pre-service teachers and in-service teachers using text-mining. Text mining refers to the process of deriving high quality information from text. There are two levels of teachers' knowledge, one explicit, and the other implicit. Teachers' perceptions of teaching are strongly related to their own knowledge of the implicit level. This was an attempt to bring out teachers' implicit knowledge using text-mining. After watching a video of teaching by an experienced teacher, pre-service and in-service teachers were asked to form a knowledge structure using the structured card method. The structured card method was developed by Kanji Fujioka. As a result of the analysis, we were able to obtain the following three findings. Firstly, perceptions of teaching could be roughly divided into two parts, one being practical teaching skills, the other knowledge about the class management which supports practical teaching skills. Secondly, pre-service teachers' perceptions of teaching differed from that of in-service teachers. Thirdly, although pre-service teachers tended to pay attention to class phenomena such as the behavior of the teacher and the children, in-service teachers tended to mention items in the background such as class management.本研究は、テキストマイニングをもちいて学部学生と現職教員の授業認知を比較し、その特徴を検討することを目的とする。テキストマイニングは、テキストから質の高い情報を得るための分析の手法のことである。教師の知識には2つのレベルがあり、ひとつは明示的な知識であり、もうひとつは暗黙的な知識である。教師の授業認知は、その教師の暗黙的な知識と深く関係している。本研究は、テキストマイニングによって教師の暗黙的な知識を表出させようという試みである。具体的には、熟達教師の授業のビデオを視聴した後、学部学生と現職教員はカード構造化法によって知識構造を形成することを求めた。カード構造化法は藤岡完治によって開発されたものである。得られたデータをテキストマイニングによってクラスター分析した結果として次の3つの知見を得ることができた。第一に、授業認知はおおまかには2つの部分に分けることができ、それは目に見える実践的な指導の技術と、目に見えにくい指導の技術を支える学級の経営についての知識である。第二に、学部学生の授業認知は現職教員の認知とは異なる。第三に、学部学生は教師や子どもの言動といった現象に注意を払う傾向があるのに対して、現職教員は学級経営など授業の背後にあるものについて言及する傾向がある。
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