カキクダアザミウマの産卵要因の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カキ芽出し苗を用いてカキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi Haga et Okajima)の産卵要因を解析した。羽化した新成虫は、高温及び低温条件を経なくても、本葉が展開する以前の苗があればゴールを形成し産卵した。温度に関しては、15℃、20℃でゴールを形成したが、15℃では産卵しなかった。しかし、15℃でゴールを形成した後、25℃に移すと産卵した。25℃ではゴールは形成されず、従って産卵もしなかった。日長は産卵に影響しなかった。本葉の展開した苗に雌成虫を放飼してもゴールは形成されず。産卵もしなかったが、展開直後の本葉を直径3.2mmのビーバーラインチューブに巻入れると産卵した。一方、老熟した本葉を巻入れても産卵しなかった。さらに、葉に食害痕のみられなかった場合にも産卵しなかった。以上の結果、野外で年一化の生活史をする本アザミウマの雌成虫の産卵には、高温長日及び低温短日を経る必要がなく、20℃~25℃で巻いた状態のカキの若葉が存在すれば産卵可能であると推定される。The thrips Ponticulothrips diospyrosi Haga et Okajima is an univoltine species which aestivates and overwinters in the adult form in the fields. The oviposition factors of the thrips were investigated on persimmon seedling leaves. The adult female could make a gall and oviposit inside it in vitro. Female could make a gall and oviposit at 20℃, but only make a gall at 15℃. Although it could neither make a gall nor oviposit at 25℃, it oviposited at than temperature when placed on a gall. Female neither made a gall nor oviposited on an extended young leat. However, it could oviposit on the young leaf rolled artificially in a line tube (3.2 mm diam.), but not on the old one. These findings show that univoltine of the thrips may be regulated by the phenology of the host plant and females can oviposit whenever they are placed on the seedlings at the optimum oviposition temperature.
- 岡山大学資源生物科学研究所の論文
著者
関連論文
- F312 オオタバコガの冷温障害
- B208 オオタバコガ非休眠蛹における各組織の低温障害
- フウナガマダラオオアブラムシの日本からの発見
- J222 スクミリンゴガイの耐凍性、および凍結要因の評価
- 忌避剤を用いた果実吸蛾類によるモモ果実への被害防止に関する研究
- I102 コナガの合成ピレスロイド剤抵抗性および感受性系統におけるナトリウムチャネル・アルファサブユニット遺伝子の選択的スプライシング
- F311 ニカメイガイネ個体群とマコモ個体群間の低温耐性の比較
- I212 ナシ果実に含まれる匂い成分に対する果実吸蛾類の誘引
- G205 ニカメイガのイネとマコモ系統間における交尾行動と概日リズムの比較
- E224 コナガの野外個体群における合成ピレスロイド剤抵抗性に関わるナトリウムチャネル遺伝子変異について
- E223 合成ピレスロイド剤抵抗性コナガはオルタナティヴ・スプライシングによって抵抗性型と感受性型のナトリウムチャネル転写物を発現している
- C103 スクミリンゴガイの耐寒性上昇に伴う体内成分の変化
- B211 ニカメイガ幼虫における越冬中の脂質の変化
- S141ニカメイガ幼虫における凍結障害と回避機構(小集会)
- J119 モモの匂いに対する果実吸蛾類の反応に及ぼす忌避物質の影響(一般講演)
- D221 コナガのキチン合成阻害剤抵抗性に関与するグルタチオンS-トランスフェラーゼ遺伝子の解析(II)(一般講演)
- B124 ニカメイガ幼虫における脂質の変化II(一般講演)
- B123 オオタバコガの非休眠系統の低温耐性と糖含量について(一般講演)
- H209 忌避剤による果実吸蛾類の忌避反応について(一般講演)
- D311 コナガのキチン合成阻害剤抵抗性に関与するグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)遺伝子の解析(一般講演)
- F105 オオタバコガの休眠率と幼虫期間との相関(一般講演)
- G302 細胞内共生細菌を除いたアブラムシの低温下の生存率(生理学 生化学)
- カキクダアザミウマの産卵要因の解析
- ビールムギのアブラムシ抵抗性とグラミン含量
- F219 低温下のアブラムシの生存に及ぼす細胞内共生細菌の影響(生理学・生化学)
- ソルガムのヒエノアブラムシ抵抗性 葉面ワックスと栄養成分
- K114 抵抗性と感受性オオムギにおけるムギミドリアブラムシの増殖と選好性の比較(寄主植物・選好性・耐虫性)
- E10 オオムギのアブラムシ抵抗性要因としてのグラミン含量(生理活性物質)
- F12 オオムギの耐アブラムシ性要因 : 5.葉の色と表面ワックスについて(発生予察・被害解析)
- オオムギの耐アブラムシ性要因 : IV.系統間での遊離アミノ酸含量の差異
- ミナミキイロアザミウマの低温耐性 : I.冬期と夏期個体群の低温下での生存期間
- B34 オオムギの耐〓性要因 : 1.耐性物質の検索法(寄主植物選好性・耐虫性)
- ニカメイガ第2世代幼虫による水稲の被害に対する深水栽培の影響
- ニカメイガにおけるグリコ-ゲン代謝系路について
- ニカメイガ幼虫における体液中のグリセロールとトレハロース含量に及ぼす低温の影響
- ニカメイガ非休眠幼虫における14C-glucoseと14C-UDPGの代謝
- 248.ニカメイガの越冬生理,遊離の糖とアミノ酸含量の変化
- 211. ゴミムシグマシ類の含有キノンの類似性
- 246. 殺虫剤処理によるワモンゴキブリの中毒時における各組織の遊離アミノ酸含量の変化
- F11 ソルガムのヒエノアブラムシに対する耐虫性(発生予察・被害解析)
- B104 フウナガマダラオオアブラムシ日本に定着か(地理的分布)
- D61 フウを加害するフウナガマダラオオアブラムシ日本にも分布(地理的分布・地理的変異)
- D22 ヒエノアブラムシの吸汁行動とソルガムの耐虫性との関係(被害解析・耐虫性)
- カキクダアザミウマの発生消長と発育に及ぼす温度の影響
- B37 ヒエノアブラムシ2型の生活史パラメーター比較(生活史・分布)
- エンドウヒゲナガアブラムシの翅芽および飛翔筋の発生と組織分解
- B35 オオムギの耐〓性要因 : 2.吸汁行動を及ぼすグラミンの影響(寄主植物選好性・耐虫性)
- エンドウヒゲナガアブラムシの4種モルフにおける寿命および胚子発育に及ぼす飢餓の影響
- オオムギの耐アブラムシ性要因-1-圃場における4種アブラムシの発生消長
- アブラムシのモルフとその発現決定機構 (アブラムシ)
- I10 コンドウヒゲナガアブラムシの産子に及ぼすホルモンの影響(生理・生化学)
- E44 カキクダアザミウマの飼育及び産卵要因(生活史・分布)
- A17 コンドウヒゲナガアブラムシの有性虫出現について(分類学・形態学・生活史・分布)
- ニセダイコンアブラムシLipaphis erysimi Kaltenbachの有性虫出現に及ぼす日長と温度の影響
- エンドウヒゲナガアブラムシの有翅出現に及ぼす飼育密度の影響
- E-8 日本産エンドウヒゲナガアブラムシの雄虫は有翅型(分類学・形態学・生活史)
- コクゾウ類Sitophilus Complexの小型化と棲み分けについて
- 倉敷地方におけるモモアカアブラムシMyzus persicae Sulz. の両性型出現
- B322 岡山県下におけるニセダイコンアブラムシの完全生活環出現と気候要因(アブラムシ類2)
- 418 数種マダラテントウムシ翅鞘表面の微細構造(一般講演)
- 313 ワタアブラムシ個体群の増殖と温度との関係(一般講演)
- 247.マメアブラムシの有翅型出現におよぼす合成飼料中の主要成分含有量の影響
- 132. アブラムシの人工飼育に関する研究 : 第4報 マメアブラムシに対する合成飼料のpHの影響(一般講演)
- 岡山産ヤサイゾウムシの染色体
- 220 合成飼料によるアブラムシ類の人工飼育について(昆虫病理学, 生理学, 昭和44年度 日本農学会大会)
- 110 短日低温飼育によるダイコンアブラムシ産卵性雌虫の出現(生態学, 昭和41年度日本農学会大会分科会)
- 154 コブ材ニジュウヤホシテントウムシの発育におよぼす恒温の影響(昭和39年度日本農学会大会分科会)
- ニカメイガ幼虫リン脂質の季節適応
- D-32 ニセダイコンアブラムシの両性型出現に及ぼす短日処理の影響(休眠生理・生活史)
- D405 ニセダイコンアブラムシ雄虫の形態について(アブラムシ)
- D404 ニセダイコンアブラムシの雄虫出現について(アブラムシ)
- 人工飼育マメアブラムシAphis craccivora Kochの発育に及ぼすpHと糖の影響
- A227 エンドウヒゲナガアブラムシの有性虫出現におよぼす幼若ホルモン1の影響(幼若ホルモン)
- 岡山県におけるニセダイコンアブラムシの越冬方法
- ニセダイコンアブラムシLipaphis erysimi KALTENBACHの雄虫出現について
- 426 ワタアブラムシの有翅型出現要因(一般講演)
- 昆虫の人工飼料
- 124 ニジュウヤホシテントウの休眠と日長効果 第3報, 光週性の地理的変異について(昭和36年度日本農学会大会分科会)
- ヒエノアブラムシMelanaphis sacchari(Zehntner)の寄主選択,発育および繁殖に関する研究