尾鷲市街に遡上した津波の数値実験
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概要
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津波痕跡の調査,測量によって得られている,三重県尾鷲市遡上津波の挙動に対する,数値シミュレーションが行われた.1944年東南海および1854年安政東海津波について,波源域を含む外洋から,遡上する湾奥陸上部までを一つの格子網に組込んで,浅海波方程式を基礎方程式としてleap-frog法で数値計算した.市街地の構造物による水流抵抗を,等価摩擦係数fで表現し,密集家屋の場合f=0.5,その他f=0.1で,市街地の浸水高分布が,実測と計算でかなりよく一致した.また建物の破壊,流失などの損害は,地上浸水高,あるいはそれに流速の2乗を掛けた水流の圧力に相当する量によい相関があることも認められた.Simulations of tsunami inundation at Owase city in Mie prefecture, central Japan, have been carried out by use of a finite difference method on the basis of shallow water equations. The computational area is divided into several regions with different grid sizes. In an open ocean, the earthquake fault model is placed as the tsunami source. In the innermost part of the bay, the inudation of water on land is also considered. The effective friction coefficient is assumed to represent energy losses in water flow due to obstacles like houses on land. Results of simulation with various values of this coefficient are compared with the observed distribution of inundation heights on land to estimate the most probable value. It is found to be f=0.5 for the most crowded housing areas and f=0.1 for other urban areas. The distribution of inundation heights in Owase city for the 1944 Tonankai tsunami is simulated fairly well by the former source model used by the author, provided that the slip displacement of the fault is 1.8 times the former value. The percentage of damaged houses due to invading water is well correlated to the inundation height above ground or to the hydraulic pressure, represented by the product of the inundation height above ground and the square of the current velocity.
- 1982-09-30
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