方位パターン入力を用いた方位選択性地図の自己組織化

概要

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本研究では,棒状の入力パターンを用いた方位選択性地図の自己組織化における,学習定数の効果について研究する.我々はこれまでに,Hebb学習則に近隣のニューロンの応答特性を考慮したcluster学習則を用いることで,形式ニューロンから成る2層の神経回路網モデルで,方位選択性地図の自己組織化が可能であることを示した.そこでは,学習方程式の定常状態を仮定した上で,各ニューロンの入出力関係を数値的に求めていた.そのため,生理学的実験結果に類似した方位選択性地図を再現するためには,cluster学習則を用いる必要があった.しかしながら,学習方程式の定常状態を仮定せず,実際に棒状の入力パターンを提示しゆっくり学習を行なうと,通常のHebb学習則でも生理学的実験結果に類似した方位選択性地図を再現できる可能性がある.そこで,本研究の目的は,学習定数の大きさを様々に変えて学習を行ない,得られる方位選択性地図の違いについて研究することである.その際,用いる学習則も,Hebb学習則とcluster学習則の2種類用い,学習則による違いについても研究する.得られた結果は,学習定数が小さい場合には,いずれの学習則でも,実際の方位選択性地図を再現することができた.二方,学習定数が大きくなると,通常のHebb学習則の方が早く,方位変化の滑らかさを欠いた実際の方位選択性地図とは異なる結果となった.以上より,学習定数が十分小さなゆっくりと学習が行なわれる場合には,通常のHebb学習則で十分生理学的実験結果に類似した方位選択性地図を自己組織化できることが分った.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2014-01-14

方位パターン入力を用いた方位選択性地図の自己組織化

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