ビームステアリング時における高分解能エコーイメージングおよび高精度変位計測のための後処理による横方向の広帯域化

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超音波セクタスキャン等のビームステリングや、我々の提案しているステアリングビームの重ね合わせによる横方向変調において、広い視野領域を得る場合や、高精度な横方向の動きまたは横方向変位成分の高精度計測を志向して横方向の高い周波数を得るべくステアリング角度を大きくした場合に、素子ピッチやビームピッチが大きいときにはエイリアシングを生じる。本稿では、2つの寒天ファントムを対象として、まず、以前に提案したビームフォーミング後の後処理方法である、周波数領域においてスペクトルの折り返しを修正するためにスペクトルを零詰めすることを通じた横方向の広帯域化を行う方法を用いた。寒天ファントムは、ずり弾性率の高い小さい円柱状のつめもの(各々、直径3mmと5mm)を持つ。トランスデューサは、通常の市販されているものよりも素子ピッチがfineな0.1mmのものを作成して使用した。横方向に疎なビームフォーミングを行った場合でも、大きいステアリング角度や高い横方向変調周波数を実現でき、高精度な横方向変位や変位ベクトルおよび弾性計測(歪やずり弾性率)も行え、高速フレームレートをも実現できることが確認された。また、Nyquist定理が満足されない場合においても、エコーイメージングと変位計測が可能であった。また、以前に、高速フレームレートの生成のために平面波を送波すること(但し、球面波送波時に比べて横方向に狭帯域となる)や、その様な場合に広帯域なエコー信号を得るべく、正面方向のビームやステアリングビームを複数個生成してコヒーレントの重ね合わせを行うことを提案し、その有効性も報告しているが、本稿では、その処理をこの横方向の広帯域化を行った際にも適用した。これらの方法は、特に、高速や複雑な動きをする組織内のずり波伝播や、頸動脈および心腔内の血流計測に有効になるものと期待される。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2013-05-20

ビームステアリング時における高分解能エコーイメージングおよび高精度変位計測のための後処理による横方向の広帯域化

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