座標回転による組織内変位べクトル計測の高精度化

概要

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我々は、ビームステアリングおよびアポダイゼーションを用いたビームフォーミングにより、従来のエコーイメージングとは異なり、横方向にもビーム方向と同等の周波数をもつ高分解能イメージングを行っている。我々は、交差ビームの重ね合わせにより実現できるこの方法を横方向変調法(LM: lateral modulation)と称している。そのビームフォーミングは、実質的に、横方向の変位の計測もビーム方向のそれと同程度の高い精度を実現するものでもある(変位べクトル計測)。また、横方向変調法とは異なり、1つの偏向角度を持つビームステアリング(ASTA: a steering angle)を行う簡単なビームフォーミングでも、変位べクトルを計測できることを報告している。後者において多次元自己相関法や多次元ドプラ法を使用するためには、スペクトルを周波数分割する必要がある。本稿では、このLMとASTAにおいて、組織変位方向と、ビーム(ステアリング)方向と、座標の回転角度をパラメータとして、シミュレーション及びファントム実験を通じて、変位べクトルや横方向変位の計測精度を評価した結果を報告している。ステアリング角度と座標の回転角度を変えることにより、各方向の周波数を調節できる。その際には、ASTAの一つのバージョンとして、ビームステアリングを行わずにトランスデューサから正面方向にビームを生成した場合に座標回転を行う方法を実現し、帯域幅を減ずることなく計測できることを報告している。また、その場合において、2次元アレイ型トランスデューサを使用した3次元計測イメージングも意識し、送信時に平面波を用いることも行っている。また、スペクトラム周波数分割法の応用として、スペクトルの低周波成分を捨てて瞬時周波数を稼ぐ方法の有効性も確認している。
2010-11-18

座標回転による組織内変位べクトル計測の高精度化

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