認知症高齢者と生活する家族の認知症に対する認識-1事例の面接調査結果をとおして-
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概要
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認知症高齢者と生活する家族の認知症に対する認識を明らかにするため,認知症を介護している家族1名の面接調査を行った。面接では,認知症の診断前における認知症の疑いの有無,確定診断された時の気持ち,診断された後の気持ち,認知症についての現在の気持ちなどについて語っていただいた。認知症の診断を受け止めていく過程は,まず,《認知症への気づき》があり,受診させた結果,《診断に対する確信》を得ていた。介護を行う中で,《介護負担の大きい疾患》であることを実感するとともに,《家族関係に関係する疾患》であることを認識していた。そして,《支援者を必要とする疾患》であるため,様々な支援者の協力を得ながら《介護者が被介護者と同一化できる疾患》であることを体験し,《認知症を不幸としない考え》に至っていたことが示唆された。本研究の結果より,認知症高齢者と生活する家族が認知症と診断された時の認識は一般にいわれる衝撃や否認といった反応を示さない可能性があることが示唆された。さらには,《認知症を不幸としない考え》に至るなど興味深い結果が示された。
著者
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魚里 明子
関西看護医療大学看護学部地域・在宅看護学領域
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森田 智子
関西看護医療大学看護学部地域・在宅看護学領域
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古川 秀敏
関西看護医療大学看護学部地域・在宅看護学領域
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吉田 実加
前関西看護医療大学看護学部地域・在宅看護学領域
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