指先皮膚温度変化に基づく集中力推定方法に関する一考察(ナビゲーション・センシング,メディア・コミュニケーションの品質と福祉,及び一般)

概要

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勉強中やデスクワーク中のユーザの集中力を推定する方法として,自律神経の状態による生体情報の変化を利用する方法が挙げられる.利用する生体情報としては脳波,脈波,皮膚温度などが存在する.従来研究において皮膚温度を利用する場合はサーモグラフィを用いて鼻部温度の変化を測定することが多い.しかし,サーモグラフィを用いた測定方法の場合,測定部位をカメラに映さなければならないためユーザの姿勢が制限されてしまい,また,装置も大掛かりになってしまうという課題があった.筆者らの研究グループでは,より小型で安価な接触型の温度センサを利用することで皮膚温度を測定し,集中力推定に利用しようと考えている.本稿では皮膚温度測定による集中力推定方法の基礎検討として計算作業中の皮膚温度変化を測定した.指先,手首,首における温度変化の差を比較した実験と集中力と指先皮膚温度変化の関係について検証した実験について述べる.実験結果より指先皮膚温度の変化が集中力推定に有効であるという知見が得られた.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2013-03-04