発話音量制御支援のための視覚フィードバック提示方法の検討(<特集>サイバーワールド論文)

概要

論文の詳細を見る
コミュニケーションにおいて,受話者が知覚している音量を推定できないことは,送話者が呼びかけや会話を行う際に問題となる.本研究では,受話者が知覚している音量を可視化することによって,コミュニケーションの場にいるユーザがその情報を共有し,適切な音量で発話できるようなコミュニケーション支援を目指している.本論文では,音声通信メディアを介する会話環境において音の伝搬範囲を可視化する視覚フィードバックを送話者と受話者に提示した実験の結果を報告する.実験結果より,視覚フィードバックに関する送話者の傾向については,間隔が密なデザインの場合,及び,受話者の空間の床面に提示する場合に,効果的にエフェクトを利用できることが分かった.また,騒音環境と静かな環境での比較実験から,送話者が制御可能な最小の発話音量幅に近い幅で反応させることのできるエフェクトのデザインの重要性を確認した.受話者については,受話者の空間の床面に提示された視覚フィードバックを用いて会話を円滑に進めようとする行動が観察された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-01