モチ性変異体米澱粉の食品等への利用可能性試験
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概要
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米澱粉における変異遺伝子と澱粉の利用特性との相関を解明することを目的として,結合型スターチシンターゼI(GBSSI)に加えて他の澱粉生合成関連アイソザイム(スターチシンターゼI(SSI),SSIIIa,枝作り酵素I(BEI))が同時に欠損あるいは活性が低下したモチ性変異体米系統(ssl^L/gbssl, ss3a/gbssl, bel/gbssl)の澱粉の食品への利用特性について分析し,GBSSIのみ欠損した変異体(gbssl)と比較した。ssl^L/gbsslは粘度上昇温度が上昇したが,ピーク粘度は低下した。ss3a/gbsslは平均粒径が小さくなり,粘度上昇温度が低下し,ピーク粘度が低下した。bel/gbsslはピーク粘度が上昇した。ssl^L/gbsslとbel/gbsslでは加熱膨潤度が増加した。ss3a/gbsslとbel/gbsslではアセチル化アジピン酸架橋を施した後に吸水率が増加した。団子のタレによる利用評価では,ss3a/gbsslが保形性と口溶けのバランスに優れて良好な利用適性を示したものの,酸性フルーツソースでは澱粉粒の崩壊が促進され,保形性が大きく低下した。アセチル化アジピン酸架橋を施したモチ性変異体米澱粉では,酸性条件下での澱粉粒の崩壊が適度に抑制され,タレ・ソース用途において,保形性と口溶けの向上を両立させることができた。
- 2013-08-20
著者
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高田 正保
日本食品化工株式会社
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藤田 直子
秋田県立大
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中村 保典
秋田県立大
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高田 正保
日本食品化工株式会社研究所
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安東 竜一
日本食品化工 研
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安東 竜一
日本食品化工
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高木 洋平
日本食品化工株式会社研究所
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中村 保典
秋田県大・生物資源
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影嶋 富美
日本食品化工
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藤村 岳史
日本食品化工
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奥田 茜
日本食品化工株式会社研究所
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高口 均
日本食品化工株式会社研究所
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相沢 健太
日本食品化工株式会社研究所
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影嶋 富美
日本食品化工株式会社研究所
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高木 洋平
日本食品化工
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高田 正保
日本食品化工
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