不安における注意バイアス, 潜在記憶バイアスに関する研究(原著)
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概要
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不安な気分状態では、脅威的な情報を優先的に処理する注意バイアスや記憶バイアスを含む認知バイアスが生じると報告されている。これまでの研究から注意バイアスは状態不安の影響を受けやすく、記憶バイアスは特性不安の影響を受けやすいと考えられている。本研究では、特性不安と状態不安が注意バイアスや潜在記憶バイアスに及ぼす影響について検討する。不安気分は嫌悪音回避課題によって操作した。30名の健常ボランティア(高特性不安者15名、低特性不安者15名)に注意バイアスを測定するdot-probe課題と潜在記憶バイアスを測定する単語完成課題を行わせた。高特性不安者は不安の程度に関係なく注意バイアスをみせ、不安が高まると潜在記憶バイアスを生起させた。一方低特性不安者は、状態不安の高まりに伴い注意バイアスを生起させた。不安状況下では特性不安にかかわらず注意バイアスが認められたことから、不安時には注意バイアスが優先されて生起する可能性が示唆された。
- 日本行動療法学会の論文
- 2001-03-31
著者
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生和 秀敏
広島大学総合科学部
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藤原 裕弥
広島大学生物圏科学研究科
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岩永 誠
広島大学総合科学研究科
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作村 雅之
広島大学生物圏科学研究科
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生和 秀敏
広島大学総合科学研究科
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藤原 裕弥
広島大学生物圈科学研究科
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