不安における注意の処理段階に関する研究(原著)
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概要
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本研究は、不安における注意バイアスが自動的処理であるかどうか確認するために2つの実験を行った。研究1では、注意バイアスの無意識性について検討した。単語を閾下呈示する条件と、閾上呈示する条件を設定し、高対人不安者(n=13)と低対人不安者(n=13)を被験者としてdot-probe探査課題を行った。その結果、閾下呈示条件では、特性不安、状態不安にかかわらず注意バイアスは認められなかった。研究2では、注意バイアスが処理資源を必要とするかどうかを検討した。高特性不安者(n=8)と低特性不安者(n=8)を被験者とし、dot-probe探査課題中に二重課題を課した状況で注意バイアスを測定した。その結果、二重課題によって処理資源を奪われた条件では、注意バイアスが認められなかった。以上の2つの研究から、注意バイアスは無意識的処理でなく、また処理資源を必要とする処理であることが示された。このことは注意バイアスが自動的処理でない可能性を示している。
- 一般社団法人日本認知・行動療法学会の論文
- 2008-05-31
著者
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