神戸市における新型インフルエンザ検査対応の状況
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概要
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神戸市において厚生労働省通知に従い疑似症患者への対応,接触者等の健康観察および情報収集を進めるなか,疑似症患者の定義に合致しない男性が新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の陽性反応を示し,感染が否定できない事例が発生した.翌日,国立感染症研究所での確定診断で陽性が確認され,新型インフルエンザの国内感染の最初の報告事例となった.神戸市環境保健研究所として取り組んできた検査体制および検査対応の状況について報告し,今後に向け検証する.健康危機管理において地方衛生研究所は科学的,技術的中核としての機能保持,試験検査とその精度管理能力や疫学調査能力などの水準確保が求められている.この度の一連の新型インフルエンザ検査,情報発信等がその対応能力,役割をいかに実践したかが問われたが,平素よりの地道な感染症サーベイランスの対応,取り組みが有効に機能し,国内感染初発報告事例に繋り,その後迅速な緊急措置が感染拡大防止に大きな効果をもたらした.想定外かつ土日の展開,その後の予想を超える検査件数にもかかわらず大きな混乱もなく対応することができたことを検証すると,事前の体制,マニュアル整備と訓練,関係機関との連携・支援,健康危機事象に対するミッションの明確化,意識徹底などが有効に機能したことが考えられる.また,国,国機関および地方衛生研究所等それぞれの役割と連携システムの再構築と位置づけを明確にすることにより今後一層の対応能力の向上に努めることが重要となる.
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